原子炉主任技術者は、原子炉の運転に関する保安・監督を行う技術者です。原子炉を設置する電力会社などの事業者は原子炉の運転に関しての保安の監督を行わせるために原子炉主任技術者を選任することが義務づけられています。原子炉主任技術者試験は筆記試験(一次)と口答試験(二次)で行われます。
●国家資格
●受験資格
・筆記試験(一次):特に制限はありません
・口答試験(二次):筆記試験の合格者で、かつ次のいずれかに該当する者
1)原子炉の運転に関する業務に6か月以上従事した者
2)経済産業大臣および文部科学大臣が指定した講習機関等で原子炉の運転に関する課程を修了した者
●試験方法・内容
筆記試験は次の科目について行われ、合格には大学卒業程度の学力が必要です。
1)原子炉理論
・原子核反応
・中性子の拡散
・中性子の減速
・臨界性
・原子炉動特性
・反応度変化
・核計算
・その他原子炉理論に関すること
2)原子炉の設計
・伝熱と冷却材の流動
・燃料要素の伝熱
・構造設計(耐圧、耐熱、照射脆化、耐震等)
・その他原子炉の設計に関すること
3)原子炉の運転制御
・制御理論の基礎
・反応度フィードバック
・原子炉の過度変化
・原子炉の起動、停止及び出力制御
・プラント異常時の措置、対応
・中性子計装及びプロセス計装
・安全保護系、工学的安全施設等の機能
・炉心管理、燃料管理(使用済燃料を含む)
・放射性廃棄物の管理
・施設定期検査、供用期間中検査等の試験検査
・その他原子炉の運転制御に関すること
4)原子炉燃料及び原子炉材料
・核燃料物質及び原子炉材料の特性
・燃料棒及び燃料集合体の構造
・原子炉燃料及び原子炉材料の製造と検査
・原子炉燃料、原子炉容器及び炉内構造物の健全性・安全性
・核燃料サイクル
・その他原子炉燃料及び原子炉材料に関すること
5)放射線測定及び放射線障害の防止
・放射線の性質と物質との相互作用
・放射線及び放射能モニタリング
・放射能汚染とその除去
・個人被ばくの測定と評価
・被ばく防護対策
・放射線障害
・その他放射線測定及び放射線障害の防止に関すること
6)原子炉に関する法令
・原子力基本法(昭和30年法律第186号)(政令を含む)
・原子炉等規制法(政令、省令及び告示を含む)
口答試験では、原子炉の運転を行うために必要な実務的知識が問われます。
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